カバン

ランドセルリュックの選び方

昨年5月1日に「令和」時代に入ってから、様々なところで「時代の変化」を本当に強く感じるようになりました。

教育の現場では、学校教育のデジタル化を進める国家プロジェクト「GIGAスクール構想」の取り組みが、コロナ禍で一気に加速しています。

現在、全国の小学校でPC・タブレット端末の配布が進んでいます。
筆者の娘が通う小学校でも、タブレットが1人につき1台、近々配布されます。

また、端末の配布に伴い「タブレットが収納可能であれば、ランドセルでもリュックでもOK」とする小学校も増えているそうですね。

タブレットが小学生1人に1台配布されます

大手ランドセルメーカーさんは、タブレット収納に対応した新商品をすでに提案されています。
ランドセルリュック(ランリュック、ランドリュック)も、この1~2年でさまざまなブランド・メーカーから販売開始されました。

これまではランドセルだけでも豊富なカラー・デザイン・ブランドがあったのに、これからはリュックもOKになって、さらに選択の幅が広がります。「いよいよ本格的に『多様化』の時代に突入したな」と感じます。

小学生のランドセル・通学カバン選び

時代の変化に対応しつつ、「背負いやすさ」などお子さまに配慮した通学カバンがたくさん世に出てくるのは素晴らしいことですが、
これまで‟ランドセル一択”だったパパ・ママも、時代の変化に合わせるために、いろいろと情報収集に苦労していらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、「小学生の通学カバンの選び方」についてご紹介したいと思います。

【目次】小学生のランドセル・通学カバン選びのポイント

1.はじめに

放置されるランドセル

突然ですが、「玄関に、無造作に放置されたランドセル」を見たことはあるでしょうか?

子ども達にとって、周囲の世界は未知のモノ・楽しいコトであふれています。
晴れの日も雨の日も、冒険のような、ワクワクする毎日を過ごしています。

ランドセルの放置場所が玄関ならまだマシ(ただし、注意する側のパパ・ママは大変…)です。もし下校途中に遊びが始まったら、屋外の地面やアスファルト上に放置されることだってあるかもしません。育ち盛りのわんぱくなお子さまなら、無意識にカバンをポイっと放り投げてしまうこともあるでしょう。

小学生は育ちざかり&わんぱく!だからランドセルにはその相棒として相応しい「強さ・丈夫さ」が求められます

ランドセル・通学カバンにとって「小学生のお子さまと、6年間毎日一緒に過ごす」ということは、とってもハードな日々の連続なのです。

お子さまの‟6年間の相棒”として相応しい「強さ」が必要だからこそ、ランドセル・通学カバンには「丈夫さ」が求められるのです。

2.素材

ランドセル・通学カバンの「丈夫さ」と最も深い関係にあるのが「素材」です。
特にメインの革・生地には、もちろんカラーや質感も重要ですが、一番求められるのはやはり「強さ/丈夫さ」です。

▪ランドセルの素材について

「本革」、ご「合成皮革」について

ランドセルの素材としては、
「牛革」や「コードバン」などの本革
「クラリーノ®(クラレ製)」、「タフガード®(帝人コードレ製)」、「ベルバイオ®(FILWEL製)」などの合成皮革(合皮)が有名ですね。

本革
革のダイヤモンド「コードバン」をはじめ、丈夫さ・強さには定評があります。
最近では、技術・加工法の進化もあって「マメにお手入れしなくても良い」本革も出ていますね。
ただやはり、革の種類・加工法によっては、雨に弱かったり、お手入れしないと「ひび割れ」など劣化してしまうモノもあります。
例えば、本革を加工する際の「なめし」という工程には、「クロムなめし」「タンニンなめし」「コンビなめし」などの手法があります。なめし方によって、仕上り・風合い、や水・汗への耐性などが違ってくるのです。
本革ランドセルは、シリーズ・モデルによって革の種類や加工法が違うので、「丈夫さ」に関してはカタログを確認するか、念のためにお店に問い合わせておくことをお勧めします。

合成皮革(合皮)
本革の「雨に弱い」「重い」といったデメリットを克服するために開発された人工皮革。
以前は「経年劣化(ポリウレタンの『加水分解』によって、数年で生地がボロボロになってしまう)」という問題がありました。
が、現在は「クラリーノ・エフ®」など、耐久性の問題がかなり改善されているモノもあります。
合成皮革も、今ではたくさんの種類があります。生地名・種類によって特性が違うので、こちらも本革同様「丈夫さ」について確認しておくと良いでしょう。

なお、本革も合成皮革(合皮)も、「表面がツルツル」なものと、「表面がデコボコ(シボあり)」なものがあります。
キズが付いた場合に目立ちにくいのは、どちらかというと表面がデコボコしたもの(シボあり)と言われています。

▪ランドセルリュックの素材について

「ナイロン」、「ポリエステル」生地について

ランドセルリュックの素材としては、「ナイロン」や「ポリエステル」があります。

ナイロン
ナイロンは、ポリアミドと呼ばれる合成樹脂です。‟世界初の合成繊維”として、1935年、アメリカのデュポン社からナイロン生地は誕生しました。当時ストッキング用として使用された「ナイロン6,6(絹に近い肌ざわり)」や、その後日本の東洋レーヨン(現:東レ社)が開発した「ナイロン6(木綿に近い肌ざわり)」など、今では様々な種類があります。世界的に有名な「コーデュラ/CORDURA®[インビスタ(旧デュポン・テキスタイル・アンド・インテリア社)製]」も、ナイロン生地ですね。
ストッキング、スポーツウェア、バッグ、カーテン、カーペット、釣り糸、ギターの弦など、その用途に合わせて様々な種類のナイロンが使われています。

ポリエステル
ポリエステルも、ナイロンと同じ合成樹脂です。1941年、イギリスのキャリコプリンターズ社から誕生しました。ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)を原料とする合成繊維は、現在‟世界で最も生産量の多い合成繊維”として知られています。もともとは綿や麻などの天然繊維に似せて開発されたものですが、現在ではウェディングドレスの素材にも使用されるなど、技術の進歩に伴って様々な種類のポリエステル繊維が開発されています。
洋服、スポーツウェア、バッグ、カーテン、テーブルクロス、毛布、テント、魚網、傘など、色々な用途に使われています。

一般的なナイロンとポリエステルを比較すると、下表のようになります。

[ 一般的なナイロンとポリエステルの比較 ]

項 目ナイロンポリエステル
軽さ
摩擦に強い
引張強度
耐衝撃性
伸縮性
色落ちしやすい
吸湿性
吸水性
耐熱性
燃えやすさ燃えにくい燃えやすい
耐薬品性強いが、耐酸性は低い強いが、耐アルカリ性は低い
価格高価安価

ただし、実際は繊維・生地の加工方法によって性質を多少変化させることが可能なので、どちらが良いとは一概には言えません

では、生地の強さ・丈夫さを確認するにはどこを見ればよいのでしょうか。
答えは、「生地のつくり(構造・構成)」です。

カバンに使われるナイロンorポリエステル生地の断面を見ると、基本的には下図のようになっています。

[ ナイロン、ポリエステル生地のつくり ]

【 表 】

表面のコーティング

基布
(ナイロン、ポリエステル)

コーティングor素材

【 裏 】
表面のコーティング
撥水(はっすい)加工など、表面に施される被膜
基布(きふ)
ナイロンやポリエステルの繊維(織物)
コーティングor素材
基布(織物)の目を完全にふさぐための被膜

「生地のつくり」で特に重要な情報は、上図の②と③です。これらは「商品タグ」に記載されていたり、商品ページの「商品詳細」や「スペック(仕様)」、「素材」などの項目で確認することができます(商品によっては省略されている場合もあります)。

具体的には、例えば「1680D(デニール)ナイロン/PVC」や「600D(デニール)ポリエステル/PU」のように表記されることが多いです。

[ ナイロン、ポリエステル生地の表記 ]

1680D ナイロン
/
PVC

上図②の情報
上図③の情報

上記の場合は、「基布は1680D(デニール)のナイロンで、裏側にはPVCが貼付けられている」ということになります。

▪上図②(基布)の情報について

D(デニール)」というのは、簡単に言うと「繊維(糸)の太さ」を表す単位です。「D(デニール)の数値が大きい」=「太い糸が使われている」ということになります。当然、太い糸で織られた生地は、破れにくい、強くて丈夫な生地になります。

【 補足:D(デニール)について 】
「D(デニール)」は、糸の太さを表す単位です。本来「太さ」は、mm(ミリメートル)などの長さで表しますが、「糸」はとても細くて柔らかいモノです。そのため、太さを計測することが非常に困難です。そこで、「一定の長さの糸の重さ(質量)によって太さを表す」という手法が考案されました。それが「D(デニール)」です。
1D(デニール)
9,000mで「1g」の重さの糸
※500D(デニール)なら、9,000mで「500g」の重さの糸 ということです。
D(デニール)数が大きいほど、太い糸が使われている

ストッキング
レインウェア

100D
以下

キャンプ用
テント

210D
程度

バッグ、
リュック等

210D
以上

▪上図③(裏面)の情報について

裏面の加工には、下表のようにいくつか種類があります。

[ 裏面加工の種類と比較 ]

裏面加工説明
PVCビニール(ポリ塩化ビニル)の貼り付け。PUなどのコーティング(塗布)と比べて厚みがあり、重量を感じますが、防水性能としては優秀です。他の裏面加工と比べて経年劣化が少なく、丈夫な点も特徴です。ただし、洗濯・ドライクリーニングはできません(基布とPVCが剥離してしまう恐れがあります)。
PUPU(ポリウレタン)をベースとしたコーティング剤の塗布。実用的なレインウェアなどに多く採用されます。比較的軽量で、加工方法次第では蒸れを軽減する透湿機能を付加することができます。ただし、空気中の湿気や紫外線などに反応し劣化することがあります。
ACAC(アクリル)をベースとしたコーティング剤の塗布。PUと同様にレインウェアなどに採用されています。PUと比べると若干硬めの風合いになり、生地に張りを持たせることができます。薬剤が比較的安価なのも特徴です。
HPHP(ハイパロン、クロロスルホン化ポリエチレン)をベースとしたコーティング剤の塗布。ACと比べて、強度があり、コーティング面もベタつきが少なくゴムのようなタッチになります。耐光性にも優れています。コーティング面は白色のものが多いです。材料・加工法によっては、経年劣化によりコーティング面がポロポロと剥がれ落ちることがあります。

現在は、ナイロンもポリエステルも、本当にたくさんの生地が世に出ています。「生地のつくり」も様々で、どの生地が一番良いとは一概には言えません。でも、上述の「糸の太さ」や「裏側の加工」の情報は、「生地の丈夫さ・強さ」と密接な関係にあるので、確認しておいて損はないと思います。

ちなみに、ダイワホーサンのカバンに使われている生地のつくりはどうなっているのでしょうか。
商品をいくつかピックアップして下表にまとめてみましたので、商品選びの参考にしてみてください。

写真
商品名PA-103SB-205RD-24
生地名JハーバードTエンペラーテグラン
表面撥水コート撥水コート
基布420D
ナイロン
840D
ナイロン
1680D
ナイロン
裏面PVCPVCPVC
主な用途サブバッグ通塾、通学通学
ランドセル

以上、ランドセルやランドセルリュックに使用される素材、特にメインとなる革・生地についての解説でした。
もしカバン選びに迷った時は、デザインや価格だけでなく、素材に関する情報も見比べてみると‟本当に良いカバン”が見つかりやすくなるかもしれませんね。

3.軽さ

お子さまへの負担を軽減するためには、「軽さ」も非常に大切です。
ただし、前述の「丈夫さ」と「軽さ」は相反するところがあるため、両方のバランスが重要だと言えます。

「丈夫さと軽さ」についての例:四輪駆動車と軽自動車

例えば、自動車をイメージしてみてください。
オフロード走行用に開発された四駆は、とても頑丈につくられているので、多少の衝撃ではびくともしません。でもその分、分厚い金属・骨太な骨格のため車体は重いという特徴があります。
逆に軽自動車は、細い道でもスイスイ走れる、小さくて軽い(燃費が良い)ボディが売りです。でもその分、四駆と比べると衝撃に対して弱いという特徴があります。

ランドセルは、どちらかというと四駆に近いのではないでしょうか。型崩れしないよう芯材が入れられており、リュックと比べると‟硬め”なイメージですね。
ランドセルリュックは、軽自動車の方が近いかもしれません。生地はランドセルよりもやわらかい印象で、‟軽い”イメージがあります。

4.デザイン

随時更新していきます。もう少々お待ちください。

5.機能性

随時更新していきます。もう少々お待ちください。

6.おすすめ

随時更新していきます。もう少々お待ちください。

7.参考記事

最新情報はもちろん、男の子・女の子別のオススメ商品や、ランドセルメーカー・工房さん別のランキングなど、たくさんの情報が紹介されています。ランドセルリュックについての情報もあり、ダイワホーサンもご紹介いただいています。

こちらは一般の方が投稿されているブログです。ランドセルリュックについて、とても細かくリサーチされています。「ラン活記録」シリーズでは、色々なランドセルリュックの紹介だけでなく、貸出サービスを利用した商品レビューも投稿されています。ダイワホーサンのRD-24についてもご紹介いただいています。

商品を購入いただいた方の声も、商品選びの参考になると思います。実際にダイワホーサンのカバンをお使いいただいているお客様から頂戴したお便りは、こちらで紹介していますので、気になった方は是非一度ご覧ください。

8.まとめ

随時更新していきます。もう少々お待ちください。

【この記事を書いた人】

author ダイワホーサン

 
ダイワホーサン
企画開発部 / 田村浩之(40)
 
コメント:
新商品の開発、頑張っています!

株式会社ダイワホーサン

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